a7Ⅲのズームできる機能は「APS-C/Super35」「全画素超解像ズーム」「デジタルズーム」「スマートズーム」があります。
それぞれどんな機能があり、メリット・デメリットどのようなものなのか、ファイルサイズの変化と画像の比較調査した結果をお伝えします。
【α7iii 使い方】ズーム機能の比較とメリットデメリット
結論
α7iiiのズームは細かく見ると4種類です。光学ズームはズームレンズの機能に関係するので除外しました。
また、画像劣化の判断はファイルサイズの変化で見ています。
- JPEG編集するなら2倍ズームまで画像の劣化が少なく、4倍ズームまで使える「デジタルズーム」がお勧めです。
- RAW現像するなら画質は落ちるが使い勝手の良いAPSーC/Super35mmズームがお勧めです。
ズーム機能の概略
ズームの種類 | 機能(JPEG画像サイズはLサイズ時) | ファイルサイズ のダウン率 |
---|---|---|
APSーC Super35mm | ファイル形式がRAW・JPEG記録でも1.5倍ズームが可能。 ファイルサイズが51〜55%と半分以下になる。 撮影時の使用制限がない。 | 51〜55% |
全画素超解像 ズーム | 2倍ズームが可能でファイルサイズは23〜30%ダウンする。 ファイル形式はJPEG記録でRAW記録はできない。 ※撮影時の使用制限が多い。 | 23〜30% |
デジタル ズーム | 2倍ズームが可能でファイルサイズは13〜16%ダウンする。 2.5〜4倍ズームでは35〜46%ダウンする。 ファイル形式はJPEG記録でRAW記録はできない。 ※撮影時の使用制限が多い。 | 13〜16% 35〜46% |
スマート ズーム | JPEG画像サイズがS・M時にズーム可能になります。 ※撮影時の使用制限が多い。 | ーー |
※印の撮影時の使用制限は以下の通りです。 |
---|
・ファイル形式RAW・RAW+JPEG ・AF時の顔優先 ・マルチ測光時の顔優先 ・ロックオンAF ・動画設定が120p ・録画中(スマートズームのみ) |
APSーC/Super35mmズーム
今回の解像度テストに使ったレンズはF3.5~5.6 28〜70mmで焦点距離50mm付近で撮影しました。
このズームはフルサイズ画角からAPSーCに切り替えることで、1.5倍のズームとなります。どの設定でも使える使い勝手のいいズーム機能です、またカスタムボタンに登録すればワンプッシュでズームができます。
ファイルサイズのダウン率
APSーCで1.5倍にするとファイルサイズは半分になります。RAWファイルで54.6%、JPEGファイルが51.5%にサイズダウンしています。
APS-C ズーム | 画素数 | 圧縮RAW (ダウン率) | JPEG画像 (ダウン率) |
---|---|---|---|
ズーム前 | 6000×4000 | 24.8MB | 10.2MB |
ズーム後 | 3936×2624 | 11MB (54.6%) | 4.9MB (51.5%) |
画角の比較
【フルサイズの画角】
【APSーCの1.5倍画角】
全画素超解像ズーム
この機能はソニー独自開発の「全画素超解像技術」を利用して、写真を構成しているすべての画素を解析し、解像感を保ったままさらにズームアップする機能です。
このズーム機能はJPEG記録のみの撮影になって、RAWファイルでは保存できない。
ファイルサイズのダウン率
ズーム | 1倍 | 1.5倍 | 2倍 |
---|---|---|---|
ファイルサイズ | 10.5MB | 8.1MB | 7.3MB |
ファイルサイズ ダウン率 | 0% | 22.9% | 30.5% |
画角の比較
全画素超解像ズームはRAWデータでは保存できません、したがってRAW現像もできない。JPEGデータのみの保存となります。
肝心の画質の劣化度はファイルのダウン率でみると2倍ズームで30%落ちることになっています。
デジタルズーム
画像の一部をズーム倍率に合わせて拡大 します。画質は劣化しますが、最も大きなズーム倍率を得ることができます。
ファイルサイズのダウン率
ズーム | 1倍 | 1.5倍 | 2倍 | 2.5倍 | 3倍 | 4倍 |
---|---|---|---|---|---|---|
ファイルサイズ | 10.5MB | 8.7MB | 9.0MB | 6.8MB | 6.3MB | 5.6MB |
ファイルサイズ ダウン率 | 0% | 16.3% | 13.5% | 36.4% | 39.4% | 46.2% |
画角の比較
等倍と4倍ズーム画像の同画角比較
【等倍】
200%表示
【4倍ズーム】
50%表示
比較すると何となく、4倍ズーム画像が輪郭がボケているように感じます。
400%表示
100%表示
この表示にすると違いは明らかになります、4倍ズーム画像が耳の輪郭やぼつぼつがぼやけているのがわかります。
デジタルズームはJPEGデータのみの保存となります。
ファイルサイズのダウン率は2倍ズームでも13.5%のダウンで全画素超解像ズームの2倍の半分のダウン率です。これは使えそうですね。
スマートズーム
スマートズームのJPEG画像Mの場合の画像(スーム率は1.5倍まで)
スマートズームのJPEG画像Sの場合の画像(ズーム率は2.0倍まで)
1.5倍ズームの画質比較
このブログ画像の比較では、すべてのズームで画像の違いは見られませんでした、
APSーC/Super35mm1.5倍
全画素超解像1.5倍
デジタルズームの1.5倍
スマートズーム1.5倍
4種類のズームの1.5倍を比較すると、ファイルサイズではデジタルズームがダウン率が少なく画素数からみても、画質劣化を抑えたズームができそうです。
拡大画像
拡大表示で見ると、デジタルズームが「輪郭が細かく、はっきり」しています。
各ズームのメリットとデメリット
- メリット
- ファイル形式がRAW・RAW+JPEGでもズーム機能は使える
- カスタムキーに登録すると使いやすい。
- 撮影時の使用制限がない。
- デメリット
- 1.5倍ズームで画素数が半分になり画質が落ちる。
- 動画撮影中のズームは使えない。
- メリット
- 2倍ズーム可能で画質の劣化が少ない。
- デメリット
- ファイル形式がRAWとRAW+JPEGは使えない。
- 動画記録設定が120Pの時は使えない。
- S&Qのフレームレートが120Pの時使えない
- フォーカスエリアが限定される。
- 測光モードがマルチに固定される。
- ズーム使用中はAF時の顔優先・マルチ測光時の顔優先・ロックオンAFが使えない。
- メリット
- 4倍ズーム可能でAPS-Cより画質の劣化は少ない。
- デメリット
- ファイル形式がRAWとRAW+JPEGは使えない。
- 動画記録設定が120Pの時は使えない。
- S&Qのフレームレートが120Pの時使えない
- フォーカスエリアが限定される。
- 測光モードがマルチに固定される。
- ズーム使用中はAF時の顔優先・マルチ測光時の顔優先・ロックオンAFが使えない。
- メリット
- ファイルサイズが小さく、Web向き。
- デメリット
- 動画撮影時は使えない。
データ比較
画質の違いはモニターで200%に拡大しても違いは確認できませんでした、ファイルサイズから判断すると全画素超解像ズームとデジタルズームの2.0倍率までが画質の劣化が少ないです。この機能を使うと望遠レンズの200mmで2倍のズームアップされるので400mmのレンズで撮影した画像が得られることになります。
ズームしたファイルの ダウン率 | 等倍 | 倍率1.5 ダウン率 | 倍率2.0 ダウン率 | 倍率2.5 ダウン率 | 倍率3.0 ダウン率 | 倍率4.0 ダウン率 |
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APSーC/Super35 圧縮RAW | 24.8MB | 11MB 55.6% | ー | ー | ー | ー |
APSーC/Super35 JPEG L(X.Fine) | 10.2MB | 4.9MB 51.9% | ー | ー | ー | ー |
全画素超解像 JPEG L(X.Fine) | 10.5MB | 8.1MB 22.9% | 7.3MB 30.5% | ー | ー | ー |
デジタルズーム JPEG L(X.Fine) | 10.4MB | 8.7MB 16.4% | 9.0MB 13.5% | 6.8MB 34.7% | 6.3MB 39.5% | 5.6MB 46.2% |
スマートズーム JPEG M(X.Fine) | 4.6MB | 4.2MB | ー | ー | ー | ー |
スマートズーム JPEG S(X.Fine) | 3.4MB | 3.3MB | 3.3MB | ー | ー | ー |
まとめ
APSーC/Super35は1.5倍で撮影するとファイルサイズが半分以下になり、画像の劣化は避けられませんが、RAW現像ができて、使用制限が無いので使い勝手のいいズーム機能です。素人向きではないでしょうか。
JPEGファイル保存のみですが、全画素超解像ズームとデジタルズーム2倍までは画質劣化が少なく、もう少しズームしたい時に使える。
スマートズームはファイルサイズを小さく撮りたい場合に使えます。
以上、【a7Ⅲの使い方】ズーム機能の比較とメリットデメリットの紹介でした、最後まで読んでいただきありがとうございます。